2020.11.25
今月は「お客様」をテーマに事業を運営していますが、先日知り合いの会社にお伺いした際に印象的な経験をしました。
知り合いの会社には以前訪問したことがあり予定通りの時間に着きました。ところが今回の約束は業務時間後だったため、
普段と異なり正面玄関にはシャッターが下り社員の方々が次々と横の通用口から退社されていました。
どのような手続きで会社に入ったらよいか私がうろうろしていたところ、他の方と同じように帰ろうとしていた1人の女性が
私に気づき声を掛けてくれました。帰ろうとされていたその方は会社に戻り、私が約束されている方の予定や場所を
他の社員の方に確認するとともに、その場所まで案内すると言われました。
エレベーターを上がってすぐ前の部屋とのことでしたのでそこまでのご案内は必要ない旨お伝えしてお断りしました。
その後も私たちの会話を聞いていた他の社員の方々が念押しのように部屋の場所と行き方を教えていただきました。
私に声を掛けてくれた女性にとって私は初めて会う人ですし、社内にいる方や場所を案内して帰ることもできたはずです。
手順を教えていただき問題なく会社に入れていただければ、電話やSNSで連絡するなり社内の方に伺うなりして
約束の相手に会えたと思います。 相手の方とは個人的な繋がりですので、私自身も私達の会社もこちらの企業と業務上の
取引がある訳ではありません。そういった意味ではその女性にとって私は「お客様」ではありません。
それは訪問したのが業務時間外だったことや私の不慣れな態度からも想像できたと思います。
退社時に偶然私に声を掛けただけにもかかわらず、時間をかけて確認された対応にこの方は普段から丁寧に誰にでも気を配って
仕事をされているのだと想像できましたし、他の方々も親切に声を掛けていただき、
この会社の人材育成の素晴らしさを感じました。
普段の業務ではなく業務外や何気ない機会にこそ、その人の仕事に取り組む意識や姿勢、人柄が出るのかもしれません。
仕事での結果や組織の一員としての立場や肩書だけでなく、仕事への向き合い方や人への接し方、
そしてそれらの基となる人柄という面でも社員や講師の1人1人が成長できるように、
会社の取組みや責任者の考えを発信するだけでなく会員や講師の状況や声に耳を傾けることが大切だと改めて感じました。